認知症
認知症の症状には、物忘れ、判断力の低下などの認知症に必ず見られる中核症状と周囲の環境とのかかわりの中で出てくるBPSDがあります。BPSDはBehavioral and Psychological Symptoms of Dementiaの略で“認知症の行動と心理症状”を表します。BPSDには、暴力や暴言、易怒性、抑うつ、不眠、幻覚、妄想、徘徊、ものとられ妄想、弄便、失禁などがあり、中核症状以上に介護者が苦労する症状です。
BPSDには少量の抗精神病薬が有効ですが、睡眠薬や抗不安薬などの向精神薬や複数の薬剤の相互作用で引き起こされることもあり、現在、服用している処方内容の見直しが有効である場合があります。
認知症の中核症状の進行抑制にはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬や、グルタミン酸の興奮毒性を阻害する薬剤が有効とされています。現在の薬物療法は機能の維持が目標であるため、早期からの治療がより有効とされています。
認知症の症状が、脳梗塞や慢性硬膜下血腫など、脳の病気によって引き起こされることもあります。頭部CTなど検査で、これらの病気を除外する必要があります。当院では近隣医療機関と連携し、検査を行うことができます。